娘が小学生のとき、傷ついた鳩をうちに連れてきました。どうやら、カラスにやられたようです。
傷ついた鳩を公園でみつけた娘たちは、近くの動物病院へ連れていきました。恐る恐る「お金はいくらかかりますか?」とドクターにたずねると「野生はタダ」と言って治療をしてくれたそうです。
野生はタダだから安心してね
小学生ですから、みんなで遊んでいる最中にお金を持っていた子はいなかったのでしょう。でも、鳩が苦しんでいる様子を見て、暴れるのを押さえながら動物病院まで連れていったわけです。
「野生はタダ」っていうルールはこのドクターだけのルールだと思いますが、私はこの話を仕事から帰ってから聞いて、素敵な考えのドクターだなと思いました。
もし、来世に動物病院のドクターになれて、野生の動物を小学生が運び込んできたら「野生はタダ、お金の心配をしなくていいよ」と言いたいです。笑

チクワ家に託されて
確か、足を骨折していて治療も難しかったと思いますが、動物病院から近かったのでしょうか?我が家にその鳩は託されました。妻が段ボール箱を用意してその中にいれたのですが、バタバタと暴れて大変でした。
私が小学生のときに田中君の家では鳩を飼っていました。巣箱にいる元気な鳩の世話は見たことがあるのですが、傷ついて横たわっている鳩の世話は難しく、エサもうまく食べさせることはできなかったように覚えています。

復活ならず…
残念ながら、数日で鳩は息を引き取りました。娘と弟は泣いていました。私も思い出すと今でも悲しくなります。マンションの庭に穴を掘ってお墓を作ってあげました。そのまま放置されていても鳩は死んだのだと思いますが、小学生とドクターとチクワ家に心配された分すこしは良かったのではないかと思います。

おわりに
もし、動物病院のドクターが「野生の動物は治療できない」とか「ばい菌がついているから触らないほうがいい」とか「お父さんかお母さんと一緒に来ないとだめ」とか言って診察をしなかったらどうだったんでしょう。そういう考え方のほうが普通かもしれませんが…。
それだけに20年以上たっても、「野生はタダ」という小学生へ向けての伝え方が印象的で、素敵なドクターだったと思い返すのです。
そう言ってもらった娘たちも大人になったときに、相手を安心させる言葉や優しい態度で接してくれるのではないかと思います。
「野生はタダ」覚えておいてください。
それでは、また。

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